むりむりちゃん日記

私が孤独なのは私のせいではない

オランダ退職記念旅行⑧「レストランで話しかけられる🍴」

旅行中にぼんやりと目標ができた。

それは、現地の人が行くようなお店で夜ごはんを食べること。🍚

これもぼんやりと、オランダ滞在中は毎日外食するのだろうな~と思っていたけど、

ほぼ「なんのその」だけで*11日中歩き回っている疲れから、夜はホテルの部屋で持参した日本食で済ませたり、ちょっと遠出してユトリヒトに行った日は、自販機コロッケ*2と、帰りにハイネケンサルサをテイクアウトして帰ったりしていた。

そうやって連日全部の力を使って1日中歩き回っていたこと(緊張もある)と、それだけでなく、知らない場所の知らないお店に入る勇気とエネルギーは思っていた以上にそうとうのものだ! と気付いたから、なかなか実現できなかった。

それでも最終日、それぞれの個別活動*3から帰ってホテルで合流し、われわれはついに出発した!

 

 

目星を付けていたダム広場西側の通りを何度かうろうろしたけど決められず、どうしようどうしよう~。

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素敵なバーバー。お客さんは少年。

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素敵なバーバー② 友達いわく、中二階がトレンドらしい。

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雨も絵になる街だよ

 

雨も降ってきてつらい……でもあきらめたくない、とうろうろを続けていた時、真っ赤な「Amstel bier」の看板のかかったこぢんまりなお店の前を通りかかった。

窓から中をのぞくと、いい感じににぎわっている気がする。ちょうどよさそうな感じがする。

どうする? 

一度通り過ぎて相談。

もう一回もどってみよう! 

すると目の前で子ども連れの家族が入っていった。

ついてこう!

 

店内は混んでいて、「2人」と言ったら「あそこかここに座って」と言われる。

少しでも広いほうがいいということから決めた隣のテーブルには、スキンヘッドの体格のいい男性が一人で座っていた。

私と隣同士で、その距離はかなり近い。それだけでなんか緊張する……。

お店の雰囲気もやさしそうな女性の店員さんもいいかんじだけど、どうなることかしら……という気持ちでかばんをおろしたりコートを脱いだり折りたたみ傘を畳んだりごそごそしていたら、そのスキンヘッドの男性が自分の前の椅子(つまり友達の隣の席)を指さして、「よかったらその椅子に荷物を置いて。」と声をかけてくれた。

や・さ・し・い!

狭い空間とわれわれの多そうな小物類を見かねて言ってくれたっぽい。

私たちはそんな親切に慣れていないので、感激しつつもお礼だけ言って自分の椅子の中で何とか事を収めて座る

 

メニューはオランダ語の下に英語でも書いてあって、それはとってもありがたいんだけどそもそも英語のメニューでも全然何もわかっていない自分の経験の乏しさにここで直面する! この年になるまでにちゃんとしたレストランぐらい行っといてよ自分……。

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ともかく落ち着いてよく読み、スープと、肉料理オランダの家庭料理風と魚料理を一品ずつ頼んでみることにした。ビールも一緒に。

なんとか無事に注文も済み、見まわしてみた店内のかわいらしいことに気付くと、感動と達成感に満ち溢れる。よかった……がんばった……。運ばれてきたトマトスープもアムステルビールもおいしい。うれしい。

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すると隣のスキンヘッドさんが立ち上がりぎわに「すみません」と私たちに言って狭い隙間を通っていった。

「えー!?」と驚くわれわれ。日本語だったね。日本語知ってるのかな。

少しして戻って来た彼に、特に確かめることもなくそれぞれの時間を過ごす

すると彼は、デザートを頼み始めた。常連さんみたいで店員さんと親しげに話している。

「おすすめは何?」

「アップルパイとアイスクリームだよ」

「じゃあそれ」といったやり取りのあとに運ばれてきたアップルパイを見た私たちが思わず「おいしそ~~!」と叫んだら店員さんと一緒ににっこり☺☺。

(珍しい素直な感情の発露は、前日カフェでオランダのアップルパイがおいしいことを経験済みだったための叫び。)

それでも特に我々の間に交流はなく、しばらく時が経った

その間にまだトマトスープしか来てないよ! ビールおかわりしちゃってるよ!

 

するとついに、彼が英語で話しかけてきた。

「すみません。日本のどこから来たんですか?」

(Excuse me. Which part of Japan did you come?)

Oh!  ワカル~♪ と内心喜びながらも冷静さを装って、

「大阪ですよ」と答えると、

「大阪、行ったことありますよ」

マジで?(レアリー?)

というのから始まって、得意の「レアリー?」を頻発しながら会話は進んでいった。

バケーションで来たのか?とか、アムステルダムだけ? とか聞かれる。

アムスはどう? と聞かれて、自転車クレイジーでしょ、と続けるので笑う。

「人々がすごく優しい!」と言うと、そうそう!! と嬉しそうにしている。

「ここはあなたのお気に入りのレストランなんだね」と言ったら、

「10年通ってる。素晴らしい場所だよ。でも、まさかトマトスープだけしか頼んでないとかじゃないよね?」と言うので、「違うんだけど……」と言っていたらついに料理がやって来た。

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それを見て、「いいのを選んだね!!(Good choice!)」と言ってくれるからうれしい。こういう言葉が英語にはあって人々が何気なく言ってくれるんだよな~。いいよな~こういうの。

彼はパイロットで、過去に日本人の彼女がいたこともあり、日本が好きで日本語が少しわかるらしい。でもあんまり知らなくて他には「ビールもう一杯!」とかぐらい、と言うからまた笑う。サービス精神があって初対面の人との会話に慣れている。

きっと私たちの日本語の会話を聞いていて、話しかけてくれたんだろう。

「ローマも素晴らしいよ」とか、「アメリカもいいし」、とか教えてくれる。

私は何度か聞き間違えたり聞き返したりしているんだけど、私の話す英語を褒めてくれるから舞い上がる。

しばらくしたらちょっと周りを見渡して、「邪魔してごめんね。楽しい会話だったよ!」と言ってカウンターに移動した。どうやら待っているお客さんにテーブル席を譲ったみたいだ。スマートすぎる。

 

私は現地の人と話せたのがうれしくて、ごはんの味どころではなかった。

ちょっと出かけてくるだけでこんなふうに会話ができるのかー。すごいな。すごいことだな。楽しい。うれしい。

これはこの旅でいちばんうれしい体験だった。今まで自分から話しかける勇気はなかったけど、こんな会話をもっとしてみたい。

ていうか、何回チャンス逃してるんだYO!! ・・・3回です。)

 

ユトリヒトの元船乗りのおじさんといい、アムスのパイロットといい、職業柄なのかもしれないけど、みんな英語普通に話すな~。どうなってるんだろう。せっかく英語の話になったのだから、そんなことも聞いてみたかった。

会話と地元レストランの雰囲気でいっぱいいっぱいの私に代わって、友達が全部写真を撮ってくれていました。写真に残っているのもうれしい。

次回は、この旅の仲間の話をします~

 

ちなみに、帰ってきてからこんなニュースを読みました。すごい! オランダ! 納得!! 国民の9割が英語に自信があると言っている……。かっこよすぎる。

外国人に話しかけてくれることにもつながるね。

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