むりむりちゃん日記

春が来てあちこち出かけていろんなこと始めてます~🌷

世の中の最悪なこと全部国語教育のせいやなほんますんまそんごくうやわ

 挑発的なタイトルになってしまった。

ずぶちゃんの自由律俳句を拝借しました。

 

結婚式引退ツアーファイナルと、前に立つ者としての在り方やピュアネスの暴力、集団の強制力と不自由、そこここで起こる暴行事件などが重なり、機嫌を悪くしていました。

 

それぞれのことは、直接書くか揶揄して書くか風刺して書くか諧謔して書くか動物に仮託して描く(とにかく書く)つもりですが、この激烈な苛立ちのまま書くと後から後悔するのでやめておきます。

  

  • せっかく旧街の市役所での用がすべてコンプリートしたので祝わねば。
  • この酷暑の中、生き抜いていることにも祝福を。

NHKのニュースで「命を守る行動を」っていう異様な注意する一方、新国立競技場の内覧会のニュースもする。命と公平性が並ぶ世界観。)

  • こんなにかわいい色のネイルをしているのじゃから(色療法)笑って。

 

週末実家に帰っている時、一つだけ嬉しいことがあった。

妹のことだ。

妹は数カ月前に交通事故に遭い、顔と膝に傷を負った。

仕事帰りのことだった。

(顔は目元に何日間かあざができてショックだったけど、大ファンの安室ちゃんのライブに行くからと事前にネットで買ったライブグッズのキャップが、傷をうまくテンションをあげながら隠してくれて、しかもかわいく(妹は美人)、安室ちゃんに感謝したよ~泣。)

膝にはもともと手術をした古い傷があって、そこに当たった感じだった。

その古傷も、仕事で子どもと遊んでいる時にできた傷なのであって、そのことをいちいち考えると、私の方がけっこう気が狂いそうになる。

仕事でケガをしても(保証の有無にかかわらず)、返ってくるものなど無くて、自分が壊されるばかりだとつくづく思う。

 

妹の職場は学童保育で、誰が見てもわかるブラックだった。

低賃金・長時間労働・肉体労働。

市からの補助金は出ているが微々たるもので、慢性的に経営難で資金不足だとされていた。

「雇用者が子どもの保護者」という終わっている構造で、とても閉鎖的な世界だった。

地域柄、医者や大学教授などの親もいて、指導員は対応に苦労しているという話だった。

親の所得に反して(様々な家庭があったが)、とにかく資金難ということで、

施設はプレハブあるいは古い民家。

驚愕することにトイレは一つしかなく、全員(子どもも指導員も性別も関係なく)共通。約30人。職員の休憩する部屋はもちろんない。

休みの概念に乏しく、例えばその日18:00までの勤務だったとしても、「全体会」なる雇用者(保護者)と指導員共催の会議は、保護者の仕事が終わった19:00開始。だいたい23:00まで。翌日は8:00からの勤務ということも普通だった。

週末はイベント好きな保護者の提案でキャンプ、登山、ハイキング、祭りの開催等に駆り出され、妹はずっとボロボロだった。

賢明で健全な環境で働いている人なら、「労働組合は?」と言うだろうが、ブラック会社の労組もブラックなのですよね。

毎月高い供出金を支払わされ、会議、メーデーの行進、勉強会、懇親会、懇親旅行と疲弊し、いくら私や周囲が「抜けなよ!」と言っても頑なに「抜けられない」「抜けたら職場で困った時助けないと言われた」「抜けたら一緒に働けないと言われた」とさんざんだった(やくざかーい)。

その逡巡を何年か続けた挙げ句ようやく脱退。その後は解放され、拘束時間こそなくなったものの、組合の会議に行く同僚の代わりに時間を延長して働いたり、一人での勤務をしたりと何かと気を遣って働いていた。

 

交通事故はそんなときに起きた。

雨の夜で、妹は駅からの暗い道を傘をさしてうつむきがちに歩いていた。

その日も会議は23:00まで続き、職場を出て電車に乗り、最寄りの駅に着いたのは24:00近くになっていた。翌日は土曜保育が入っていて、8:00出勤が決まっていた。

妹は、急に右折してきた車に気付かず、そのままぶつかった。

救急車で運ばれて、色んな検査を受けた。運転手はすごく謝っていたらしい。

 

そこからが大変だった。

同僚や一部の保護者は、口では心配し、よく休むようにと声をかけてきても、一週間程度で復帰できるのだろうと決めつけて、そのようなメールを寄越した。

妹は、私から見てほとんどパニックで、一人で外に行けないくせに仕事に行かなければならないと準備しようとして、できるはずもなく、泣いていた。

常に頭痛と吐き気がしていたけど、家で寝ていることに罪悪感を持っていた。

職場からのメールと、保険会社とのやりとりは大きなストレスで、まるで、家に居ながらにして仕事をしているような状態だった。

 

私は、妹に、「病院には大げさに申告して(あまり患者を理解しないタイプの医者だった)、最大の休暇を取れるようにすべきだ」とうるさく言ったものの、妹自身の怯え、ブラック職場で刷り込まれた奴隷精神からなかなか回復できなかったことにより、一週間ごとの休暇指示が書かれた診断書しか得てくることができなかった。

嘆く私に対して妹は泣き、私は泣くならこんなところじゃなくて職場で大声で泣いて来いよと言ったりしてひどくて、けっこうカオスだった。

私と妹は性格が全然違って、妹は嫌なことに対して私みたいにはっきりとした態度を取ることができない。

私は冷静ではいられないのでしばらく距離をおくとに決め、自分の家に帰った。

 

結局、妹は職場の引き止めには乗らず、そのまま一日も働くことなく退職した。

残った有休の利用を阻止されかけたりして最後まで揺るぎなくブラックだったけど、ようやく縁を切ることができた。

 

(最後に行った日の送別会で、おそらく悪意無く、賞状の形の寄せ書きみたいな『よく頑張りましたで賞』みたいなのを同僚達からもらったと見せられた時は頭が沸騰しそうになった!! 最後だからと勇気を振り絞って行ったのに、何だこの仕打ち! しかも悪意無いとか終わってる。識字率の低さ、理解力の無さ、センスの無さが末期で、蔓延してる。国語教育の敗北なのか!!!!)

 

それから妹は、病院に通いながら家で療養し、家事をしたり近くを散歩したりして過ごしているようだった。相変わらず一人で外出することができず、車は怖くて運転することができなかった。駅も遠く、車がないとどこにも行けないような場所に住んでいて、妹の外出は毎週二回の病院とスーパーに母と行くことにとどまった。

徐々に、旅行や、友達との外出をするようにはなっていたけど、慢性的な体の不調で気分も落ち込んだりしていた。特に、膝のケガの回復の見通しが立たないことが不安だった。いくつか病院を変えて行ってもパッとせず、その上、そのつど保険会社に連絡しなければならないとなるとストレスは増した。

そんなか、力になってくれたのは友達で、仲のいい友達やずいぶん離れていた友達と少しずつ会ったりしているようだった。

 

この週末、実家に帰ったら、母が、妹の運転で一緒にT市の病院まで行ってきたと言った。

T市の病院には妹のひざの手術をした先生が異動していて、どうしてもその先生に診てもらいたくて予約を取って行ってきたのだという。

T市は郊外にあって、家からは二時間以上かかる。

大きな病院で、先生の診療する曜日も決まっている。

紹介状を書いてもらうためには、今通っている病院でうまく話をしなければいけない。色んなことを自分で手配しなければならず、その道のりははるかに遠い。

それでも、そういうことをきちんと行って、自分で行ったんだと思うと涙が出そうになった。

職場のせいで多くのことに諦めと忍耐を強いられ、いつしかそれを内面化し身に付けていった妹が(そうするしか生きていく方法がなかった)、こうして自分で現状を見極め、このままでは不安だと感じ、何とかしようと動き出していることに感動した。

私も体験があるけど、名医に出会うのは難しく、なかなかかなわずに苦労するもので、どこかで自分で動かなければいけないことがあって、でもそれをするにはお金も時間も体力もいる。すごく弱っている時に、日常のルーティーンや自分の生活圏を離れた場所に踏み出していくことは困難だ。でも、自分でやるしかなくて、こうして自分からよくなるために行動を起こしている妹はとても立派だと思ったし、なにより、回復の兆しだと思ったら嬉しくて泣けてたまらなかった。

人があれこれ言っても仕方がなくて、自分でいろんなことのタイミングをみて、ここだ! と思ったときに動けたら十分で、最高なのだと思う。

私はやっぱり、人がよくなりたいと思うことにすごく感動するし、尊敬する。

 

翌日、妹に会った時にその行動の立派さに感動したことを言って盛大に褒めたら、後から母に嬉しそうに報告していた。

聞けば、名医は妹のことを覚えていてくれて、T市に通うのが無理ならば、妹の生活圏内で通いやすい病院と先生を提案し、今後の治療方針も一緒に立ててくれたという。

よかった。本当によかった。

 

最新情報では、紹介された先生に会ったけどどうにも話が通じづらいタイプ(若手)で馬が合いそうになく、困っていたらもう一人、別の病院で診てもらったことがある、今回名医から名前が挙がったものの多忙かもとリストから外されていた先生(ベテラン)を発見し、自分で看護師さんに交渉して診察を入れてもらったという。

あっぱれ!!!

こうやって少しずつ、自分の手で、足で、回復に向かっていこうとしている妹がとてもとても立派で、うれしかったというお話でした。

 

 

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戦うピンクのクマでーす。