むりむりちゃん日記

私が孤独なのは私のせいではない

安室ちゃんのこと

にわかもにわか、絵にかいたようなミーハーで恥ずかしいのだけど、安室ちゃんのことが好きになったので書きます。

ミーハーはmyアイデンティティですっ!

 

きっかけは妹で、以前も書いたのだけど妹は安室ファン。

さかのぼること高校時代、母と一緒にライブに行ったのが最初らしい。

(ちなみに当時からMCは苦手で皆無、ひたすら歌い激しく踊り走り抜ける超ストイックスタイル。)

それ以降、妹は途中他のアーティストによそ見してブランクがあったりもしたけど、数年前から再び安室愛が復活し、また足繁くライブにも行くようになっていた。

私はそもそもあまりダンスに興味がないこともあり、横目で見ていただけ。

そんな時の引退発表だった。

 

私はハッとしたものの、自分では90年代の小室ナンバーぐらいしか思いつくこともできずなんだか乗り遅れた感でTwitterを見ていたら、作家の柴崎友香さんが引退を惜しみながら「Baby Don’t Cry」を推していて、やっぱり作家はすごいなあと思いながらPVを見た。とてもよかった!

安室ちゃんが街をただ歩きながら歌っている映像で、歌詞がいいんです~。

 

 

そう だから Baby 悲しまないで 

考えてもわかんない時もあるって

散々でも前に続く道のどこかに

望みはあるから

雨の朝でも(Baby don’t cry)

愛が消えそうでも(Baby don’t cry)

一人になんてしないから(Baby don’t cry)

 

眠れない夜は何度も寝返りばかり

心細くなって吐き出すため息は深い

また抱えた不安 これ以上解消できず

誰かの手握って 見えない明日へ

つなごうと努力して

だってそうして人は何度でも

闇に立ち向かう強さあるはず

与えられて選ぶんじゃなくて

その足で踏み出して

 

 

いい歌だなー。安室ちゃんに言われると泣ける。

「考えてもわかんない時もある」かー。そうなんだ。やっぱりそうなんだ。

「一人にしない」と言ってくれるのがうれしい。

そんなことを思っていた。

 

それから一年の間に、

◍妹に安室ちゃんのラストライブに行った話をきいたり、

◍ライブDVDを観せられたり、

◍イモトの‟行ってQ”も観た(感動した。神との出会い。イモトは頭真っ白で「何の食べ物が好きですか?」って聞いてたのめちゃくちゃ共感した。好きすぎるとそうなる…そうなるんだよ。イモトの呆然としたまま発せられた「夢って叶うんですね」の問いも完璧だったし、安室ちゃんの「夢は叶います」のお答えも神過ぎた)し、

◍大阪で行われている安室奈美恵展に行く妹夫婦に同行した(途中まで)けど、

(…てか、けっこう安室経験積み重ねてるな!)、

まだ、「ただかわいくてすばらしい」というぐらいで、特別な感慨はなかった(にぶい)。

たぶん、じょじょに、じわじわ、醸成していったのだと思う。

 

8月の終わりにラストライブのDVDが出た。

もちろんライブに行き、DVDも買った妹が再三「これは絶対に観た方がいいよ!!」と、(私ならともかく)彼女にしては本当に珍しく、ものすごく強く言うので、半ば無理やりといった感じで貸し出され、東京公演の映像を観た。

それは本当にすばらしかった!!

 

ファイナルツアーの最終日ということも相まって、こっちとしてはすべての曲に「これが観客の前で歌う最後なのだろう」という感傷をこめて安室ちゃんを眺めた。

そう思うだけで、‟にわか中のにわか”のくせに泣けてくるのだから、安室ちゃん本人はいつ泣いてもおかしくなかった。

そしてそれぐらい画面に集中して聴き、見た時の、それぞれの歌のかわいらしさや、聴き手を元気づけようとする歌詞は、ただそれだけで泣けた。

安室ちゃんはこういう歌を歌ってきたのか、と知った。

 

ガールズとボーイズ各5~6人のキレキレダンサーをしたがえて、真っ赤なドレス「君臨」という感じで存在し、キレまくりの歌声とダンスで魅了した(「HERO」)の後は、

ピンクの衣装に着替えて一人で登場すると、「Baby Don’t Cry」を歌った。

ところどころ観客に手を振ったり、笑いかけたり、両手でハートを形作ったりして、みんなの、そして私のハートを撃ち抜いてきた。そのつど黄色い声が上がりそれに対して安室ちゃんが笑顔でで応え、こういうやりとりが会話のようですべてがしっくりとはまっていて感動的だった。

定番のやりとりのようにも見えたし、それこそ言葉以外の、完全に言葉を越えたやりとりだった。

そもそもこのライブの開始前の映像に、客席が映っている時からうすうす気付いていたけど(うかつにも今回初めて気付いたんだけど!)、女性のファンが多い! っていうかほとんど女性(に見える)! 

これってまさにシスターフッドの表象なんじゃないか……。

と気付いてまた泣。

安室ちゃんはこうやって女の人たちを助け、励まし、自分もまた連帯してきたのか……。

そういうことは全然語らず、ただ歌とダンスと存在と、ライブで示してきたってことか……。

全然知らなかった。

 

このことは、大きな希望で救いだなと思った。

そんな人を、妹が唯一みたいにして大好きで信奉しているのも大きな救いだと思った。

泣ける…書きながら泣けて仕方ないよ。ティッシュ持ってないよ……。

そういえば安室ちゃんは、イモトの時も、翁長知事に県民栄誉賞を授与されてお話したときも涙して、ティッシュでふいていたな。何かのインタビューでも泣いて、ティッシュだった。

 

でも安室ちゃんはラストライブで歌っている間、一度も泣かなかった。

プロっていうか、神って感じがした。

 

ソロの後、戻ってきたダンサーたちと、ステージに作られたピンクのビル群に上ったり下りたりしながら歌う 「Girl Talkと 「New Look」はかわいすぎた。

ボーイズチームとガールズチームは分かれてダンスしていて、安室ちゃんはガールズチームの一員でもあって、明らかにガールズはボーイズを翻弄していて(というかボーイズはガールズの引き立て役に徹する)観ていて安心というか、

つまり、女の人(安室ちゃん)がイニシアチブをとる舞台は、なんて平和でかわいくて、おかしな抑圧がなくていいんだ! 

それは、ただうっとりと観ていたらいいという空気に満ちていた。

かっこよくてかわいくて自立している。

べつにどっちがえらいというのでもなく、女性だけを尊重してくれというような主張とかではなく、ただ好きなことを好きな人たちと一緒に好きなだけ、普通にやっていられるということ。

そのことが現実社会ではとても難しく、ほとんど不可能な現状であるだけに、余計に憧れ、ただぼーっとみていた。

 

少しだけ宝塚歌劇団を思い出した。

舞台上の大階段とか、絶対的なトップがいる感じとか、ダンサーが囲んでいることとか、トップがほぼ常人には不可能な高さのヒールを履いて大階段で完璧に踊りまくるとかの、自分と同じ‟人”とは到底思えない感じ。

観客が投影するかわいさとカッコよさ(かわいさ強)を一身に引き受け、現実的にほぼ不可能なことを実現しているフィクション性。神っぽい感じ。

(初めて宝塚のことが良いと思った!)

これは夢中になるよな……。

 

というわけで、引退まで残り一週間。

週末のラジオの特別番組も聴いたし(リスナーからのお便り紹介全員女性wwみんな安室ちゃんに励まされていた~~)、NHKの朝のインタビューも見たし、着々と安室ちゃんを積み重ねています。

 

a walk in the parkも好き。

1997年当時の、若くてイケイケでちょっとカッコつけて長い髪をかき上げている97年安室ちゃんの映像をバックに、それに重ねるようにして、今安室ちゃんが全然邪魔じゃない髪型(おでこ全出し)のまま、わざと髪かき上げるしぐさするのめちゃくちゃかわいい。

お客さんが萌えてキャーキャー言うのも、お互いにわかってる感じでノンバーバル(非言語)空間がいい。みんなかわいい。

 

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ピンクのビル群の前で「Baby Don't Cry」と「Girl Talk」、「New Look」を歌うところ。顔は本当はもっとずっと小さいです。好きなものを大きく描いてしまう!