ピクニックに行こう!
オランダじゃないです。大阪の花博記念公園鶴見緑地。
オランダで見たかった風景を求めて行きました~
いっしょに行ったのは、3月までいた学校の卒業生で、私が出られなかった卒業式で、手紙を書き残しておいてくれた二人。
在学中も、高校生らしく、学校についてのこととか、わりと率直なおしゃべりを私と一緒にしていたりして仲良くしていました。
ふたりとも自分の意見を持っている賢い人たちだったけど、ひとりの子が、学年が上がって担当を外れた私に古典(漢文)のことを聞きに来たときのこと。
優秀な人なのに、いったい何を聞くことがあるのだ? と思っていたら、
「文法のこととか教科書に載っている箇所のことだけじゃなくて、その前とか後のお話のことが知りたいんです」という理由。
すばらしいです~。
そういう(ドリル的な、点数を取るための学習じゃなく)知りたいっていう欲求、「興味を持つ」ということが学問のはじまりだよな~。で、次につながるきっかけになるという意味でも、高校で勉強する意義はこういうところにあるのだよな~と、しみじみ思った思い出。
そして彼女はこの4月から大学の文学部へ。すばらしいし、楽しみです~。
きっかけのひとつに「私の古典の授業」と言ってくれて本当にうれしいけど、びっくりしていて、私の友達はたぶん笑っている。そんな話もまた今度したいです。
ピクニックでは、紅茶(やほうじ茶やコーヒー)のカップの上に、オランダのストロープワッフルをのせて湯気でシロップを溶かしながら食べるという、オランダ帰り(でかぶれている)の私の理想を二人にごり押ししてむりやり味わわせる、というひとときを過ごしながらいろんな話をしました。
学校全般の管理主義的なところを思い出していっせいに嘆いたり(「「「もう戻りたくない~!」」」)、結婚とか、子を持つこととか、ソロ活動の話とか。
ちなみに公園は、1990年の花博以来の建造物が残されていて散歩するのも楽しいのです~。老朽化してるけど、国際庭園がおもしろい。
タイのところで写真を撮りました。
ドレッシーでエレガントな服を着た人たちがやってきて、そこここでポーズをとっていました。そういう場所として有名みたい。いいねいいね。
公園では、髪を金や銀や赤にした女の子が芝生でバレーをしていたり(『ハイキュー!!』??らしいです)、女子会っぽいお姉さんたちがピンクのテントを組み立ててBIGポテチやピザを食べていたり、犬とシャボン玉をふくカップルとか、木の上に向かってひとりで棒を投げ続ける少年と見守りながらチューハイを飲む女性二人とか、ビールを飲んで眠たくなってきた人とから揚げを食べる若い女の子二人とか……これ私たち!
休日を過ごす人々はそれぞれみんな自由でピースフルでした。
ピクニックはいいよなあ。
帰り道、電車に乗ろうとしたら、なんか見たことのある顔……。
前前職場の生徒ふたりでした。
退職記念お話会の時も相談した仲良し。
「……先生!? 何してんの!!??」
「ピクニック。そっちもピクニック?」
「そう!!」
彼らはいつものメンバーで公園でスポーツをしていたらしい。爽やかに遊ぶなあ。
二人はしきりに、「こんなとこで会うなんて信じられん!」と驚愕していたけど、私もそれは同じだけど、誰かに会う気がしているモード*1がずっと続いているので妙にぜんぜん驚かない。
あの予言*2は本当だったのね……とか思っていた。
そして私自身も、会いたい人に自分から会いに行っている感じ。そういう気概で歩いている。優勝取りに行くのと同じ。
「先生もう辞めたん?」
「辞めたよ」
「ハハハ! ピクニックとか、めっちゃ楽しんでるやん!」
いいこと言う。
乗り換えのホームで歩きながら、
「先生、神社でお話会*3やったやん? あのとき〇〇と◇◇、実は行ってたんやで!」
〇〇も◇◇も元生徒で、私がお話会の案内を送った人たち。案内を送っても、来てくれた人はほとんどいなくて、私はちょっとだけ落ち込んだりしていた。
「え? えーーーーー!? いなかったよ?」
「行ったけど、ちょっと遅れたらしい。そうしたらなんか三角帽子かぶった変な集団がおって怖かったから近づけんかった、って言っとった。でも見てたら先生たち写真撮影するっぽいから映っとこ! って映りこんだらしい。ほら。これあいつらやで!😊」
と見せてくれた写真。たしかにこれを撮りました。でも、……??
(描きました。オランダで絵の勉強をしてきたので(^^))
「ほら! これ」
参っている二人組!! これ?*4
「わからんわっ!」
とつっこんだものの、うれしくてうれしくて一瞬で全部の力が抜けてしまいました。
なんてかわいいんだ……。溶けてしまう。
〇〇と◇◇はストレートな物言いの人たちで、奇天烈な私の行動に「何してんのーー!」と指さして笑うようなタイプ。私は彼らのこと、自分の考えを持っていて好きでした。会いたいなあ、(来ないと思うけど)来てくれたらいいなあと思って招待した。
来てくれたんだなあ。そして(変な集団に)混じれないのもよくわかる。照れ屋。
それも含めてじーんとした。うれしかった。
この短時間で重大情報をもたらしてくれた彼も、「じゃ、俺らバイトなんで!」と言って風のように去っていった。
私がうれしいことが何か、よく知っている。すごい。すごいわ。優勝ねらってくるよな~泣泣。
こっちに移住してきてよかったと思うことばっかりだよ。
そしてこれはまたきっと会うね、と思っている。