離任式のスピーチ
ワッシー*1ぶって、スピーチ原稿をのせておきます。
といっても、実際はメモを見ながら考えていたことを話したから、あっちこっち飛ぶ構成になっちゃって、うまく伝えきれなかった感あるナ……。
というか、直前までの校長室での、
ソロ攻撃(「ヨケイナコトシャベルナワカッテルダロウナソコントコロ!」)や
離任者全体喚起(「時間無いから短めに。」)、
さらに一歩足を踏み入れた体育館の異常厳粛ムードを思うと、
壇上に立つ前から心の折れる要素続々。
やっぱり(負けないように)原稿用意しておけばよかったのかも、とか、やめる?
とか思う。
それでも、今日ここに何をしに来たのかっていうことだけを考えて、そこを私の空間にしていく勇気を持とうと決めた。
しかし私は完全に一人だったな。全員から「お前なんかいらない」と言われている気がした。
けど一方で、今日の占い が
「しっかり言葉にして表現する、みたいな日。雰囲気に流されないような。」
だったから、タイムリー過ぎてやっぱり私はだいぶ神がかってるなとも思った。(どっち!)
離任式スピーチ
(マイクの位置とか高さとか、ひとりでごちゃつく。)
笑笑(私だけ。)
おはようございます。
久しぶりにみなさんの顔を見てると、なんだかいろいろ思います。こうして私の顔を見て笑ってくれる子もいるのでうれしいです。
数日前にオランダから帰ってきました。旅行なんですけどね。それで、オランダとってもよくて、今私はオランダにかぶれています。
昨日、梅田を歩いていたんですけど、その時にマスクを、いつも花粉症で着けているんですけど、そういえばオランダでは誰もマスクしてなかったな~って思い出して、じゃあ私も外して歩こう! と思ったわけです。オランダにかぶれているので。そうしたら、誰かが後ろから声をかけてきて、「す、すみません! すみません!」って。私は、「あーセールスかー嫌だなー」と思っていつものように下向いてそのまま行こうとしたんですけど、「〇〇先生!」って言われて、見たらこの三月に卒業した二人だったんですよね。サッカー部と野球部。うれしくて、その場で1時間以上も立ち話をしました笑。
彼らもいろんな話をしてくれて、「大学が明日から授業が始まるから楽しみだ」とか「図書館が大きくて楽しみなんだ」とか。そういうところやっぱりいいよな~って思ったりしていました。知的なところと言うか。
でも、ふと気づいたのは、
「この子こんなにたくさん喋る子だったっけ!?」
っていうことで、びっくりしました。たしかに在学中も私とは親しくしていたけど、挨拶をするぐらいで、こんなに話すっていうことってなかったんですよね。それで、なぜかなあと考えたんですが、それって、学校の外に出たからじゃないかなあと思ったんです。卒業して学校の外に出て、ある一定の枠がなくなって自由になったことによるものなのかなあって。
離任式でお話しする私ときいているみんな。オランダで買ったポストカード。ここに、言いたいことのメモを書いて持っていきました。
オランダの話に戻るんですけど笑。かぶれているので。オランダでは英語を使ったんですね。そうすると、店員さんとか知らない人と言葉を交わす瞬間がある。
“Hi!” とか、 “Have a nice day!” とか言われる。
そうするとこちらも「ハーイ!」とか、 「ユー・トゥー!」とか言うわけです。
でもそれって日本ではしないことで、日本語には無い感覚だよなあと思う。向こうでは、そういうことを普通に言い合う世界観なんですよね。
別に、日本語がよくなくて英語がいいっていう話をしているわけじゃなくて、出会わないとわからないままだったり、知らないままだったりすることがある。それって「ない」ってことになっちゃうんですよね。知らないことを知らない。他の世界があることを知らない。そういうことがあるよなあと思ったのです。
もう一度、卒業生の話に戻るんですけど。彼らは学校の外に出たから自由になって、あんなにも話すことがあったんじゃないかと思うんです。もちろん、大学生活への高揚感というのはあったと思うんですけど、それだけじゃなくて、違う世界に出て行ったことによる自由と言うか。
みんな、「〇〇(高校)よかったー♪♪」って言ってました。昨日も、その前も何人かの卒業生に会いましたが、みんな「高校よかった!」って。部活してた子も、途中で辞めたりした子も。それぞれに、外でバンド活動をして文化祭で発表したり、劇で活躍したり。だからみなさんもそうやって、学校をうまく活用してやっていけるといいですね。
世界はここだけじゃないということを知っておくと、もしかしたら少し楽になることがあるかも……なあ、と思います。みなさんも可能性を広げていろいろやってみてください。私もこれからいろいろ活動したいと思っているので、頑張りたいです。
ありがとうございました。
いただいたお花とお気に入りの動物。
明日は、離任式のときに考えてたことを書きます(たぶん)。
*1:鷲田清一氏。京都市立芸術大学学長。大阪大学総長の時代からファンで、卒業式の式辞を愛読。今年三月の京都市芸大卒業式のスピーチも最高すぎた……。
≪参照≫
平成29年度学部卒業式並びに大学院学位記授与式を開催 | 京都市立芸術大学
ここが好き。数年前の卒業生がこちらに通っていて、「ヘルプ!」と声をかけると、まさにrespondしてくれるので、読んだ時泣きました。→「そして次に「責任」。日本語では責めを負うといった厳しい意味でありますが,英語ではこれはresponsibilityです。この語を分解するとrespoondとability。つまり誰かの訴えや促しに応じることができる,あるいは応える用意があるということです。もういちど言いますが,才能を贈られた人には,この贈り返すということが「義務」ないしは「責任」としてあるということです。」